Dr. 浜崎の

 

病院スタッフ日誌

 

 

2017年

5月

01日

関節リウマチ(その2)

はまさきです。今回は関節リウマチの呼称に関してです。少し昔の1990年代頃まで、関節リウマチは進行を食い止めることが困難な慢性疾患と考えられていました。「慢性関節リウマチ」と呼ばれていた頃です。1962年 に「rheumatoid arthritis」の日本語訳として 「慢性関節リウマチ」が正式な呼称とされたのですが、「rheumatoid arthritis」には「慢性」を意味する語は含まれていませんでした。そして2000年頃からリウマチのメカニズムが少しずつ解明され、新たに色々な薬剤が登場することによって、かなり進行を抑えることができるようになってきました。そのため「慢性」っていう呼称がふさわしくないという働きかけがあり、 2002年に正式名称を「関節リウマチ」に改訂されたそうです。そもそも「リウマチ」っちゃ何かい、ということなんですが、「ロイマ」とかいうギリシア語が「流れ」を意味するということです。昔の人は身体の中を悪い液体が巡って関節にたまって、あちこちが痛くなっているのではと考えていたようです。古代の人の考え方もあながち間違ってはいないですね。

 

写真は4月20日から22日に福岡で開催された日本リウマチ学会学術総会です。ポスターの演題も講演も多く、全国からたくさんの先生方が参加され、大変刺激を受けました。博多ラーメンもおいしかったです。(文:浜崎)

 

  • 飯田(月曜日, 01 5月 2017 16:16)

    浜崎先生、こんにちは!
    リウマチ学会お疲れ様でしたm(_ _)m
    博多ラーメン!
    美味しいですので私も好きです。

  • #2

    溝川(木曜日, 04 5月 2017 20:51)

    浜崎先生、こんにちは。
    みなさんのおかげで色々な薬が開発され病気の進行を抑えることができ、ありがたいことです。
    総会などでいろんな方と接すると良い刺激になりますね。

 

 

2017年

4月

21日

カブトムシの幼虫

こんにちは。

カブトムシの幼虫のマット交換をしました。

(昆虫が苦手なひとごめんなさい。)

マットとはすなわち腐葉土みたいなものです。晩夏にカブトムシの卵が無事幼虫になったら、冬眠に入る前の11月頃と冬眠から目覚めた4月頃までの、だいたい年2回マット交換をします。これから6月頃まで新しく入れたマットを食べてさらに大きくなって、それから蛹化が始まります。順調に成長すれば7月初旬には成虫になってくれているはずです。ほんの米粒くらいの卵だったのが、土だけ食べてこれだけ大きくなるって本当に不思議だなーとつくづく思います。

(文:浜崎)

1 コメント
溝川(月曜日, 24 4月 2017 23:26)

浜崎先生、こんにちは。カブトムシ好きなんですね。子供の頃、カブトムシを飼育していたのを思い出しました。こんなに丁寧には飼育してなかったですけど…。

 

 

2017年

4月

17日

関節リウマチと膠原病(その1)

 

4月14日(金)に撮影した、当院側の三重川の風景です。ソメイヨシノの桜の花が満開から桜吹雪が散る時期になった一方で、手前の八重桜の花が咲き始めていました。
4月14日(金)に撮影した、当院側の三重川の風景です。ソメイヨシノの桜の花が満開から桜吹雪が散る時期になった一方で、手前の八重桜の花が咲き始めていました。

 

はまさきです。4月からみえ記念病院の診療スタッフに加わらせて頂きました。

これからリウマチや内科一般に関すること、自分の考えていることなどをブログに書いていきます。

 

僕はこれまで膠原病内科というところで働いてたので、リウマチの患者さんから「私はリウマチの治療をしていますが、膠原病じゃぁないんでしょうか?」と聞かれることがありました。そもそも膠原病とはいったいどんな病気で、関節リウマチとどういう関わりがあるのでしょうか。結論からいうと、膠原病とは全身性の自己免疫疾患で、関節リウマチはその膠原病全体の疾患の中の1つと考えられます。

 

自分の身体の中に異物が入ってくると、それを排除しようとする働きが身体には備わっています。疫を免れる(まぬがれる)ために備わったこのシステムのことを「免疫」と呼んでいます。免疫反応が正常に行われることで、身体は異物の存在・侵入をそのままにせず、異物は免疫システムによって身体から排除され、身体全体の平和が保たれます。風邪をひいたときに熱が出たり、指先にトゲが刺さって赤く腫れた経験ありますよね。あんなかんじです。外からの異物に対して身体を守るために免疫が働くので、本来であれば 自分の身体を構成する成分は異物と認識しないように作られています。これを自己寛容とか免疫寛容といいます。

 

しかし、なんらかのきっかけで免疫担当システムが自分の身体の成分の一部を「異物だ!」と誤認識してしまうと、なんとかその組織を排除しようと攻撃を仕掛けてきます。関節内でこの争いが生じることによって、関節「炎」が生じるわけです。なにがきっかけとなるのかとか、どうして同じ刺激が加わってもリウマチになる人とならない人がいるのかといった原因はまだはっきりと解明されていません。

ではまた次回。

 

                         (文:浜崎)

1 コメント
溝川(月曜日, 24 4月 2017 23:04)

 

浜崎先生、こんにちは。わかりやすい説明ありがとうございます。勉強になります。