こんにちは!(^-^)
前回の話の続きです。
一方、地域の病院や診療所の場合には医師の数や設備は限られていますが、日常診療からターミナルケアまで、小説『赤ひげ診療譚』や漫画『JIN ー仁ー』などで一般の方々が想像されている医師や医療者のイメージに近い形で患者さんの生活に寄り添った医療を行うことができます。そして必要時にはいつでも専門医療機関に紹介するようにしています。豊後大野市内はもちろん、近郊の大分市や大学病院をはじめ、患者さんの御希望があれば以前勤務していた名古屋や千葉など都心の先端医療機関に紹介することもあります。実際に、それまで治療が難しいと考えられていた疾患が県外の医療機関を受診して奏功したこともあり、遠路で経済的負担などのデメリットがあるものの、患者さんの意思に応じて紹介して良かったと感じています。
ところで、二十年前に私が医師になった頃は、インターネットはそれほど普及しておらず、大学病院の大きなメリットは医学図書館で文献を検索できることでした。当時の大分医科大学(現 大分大学医学部)の図書館はいち早く24時間利用できる体制を整えていて、患者さんの疾患に関する文献を図書館で調べることが担当医の大きな業務でした。
現在はインターネットの発達により、医学論文や情報にどこからでも容易にアクセスでき、自分はPubmed(医学論文サイト)やUpToDate (米国の医師が利用している臨床医学のサイト)をよく使っています。このため医学情報を集めることは大学に勤務していた時に比べても不便を感じないほか、フェイスブックやスカイプ、ツイッターなどで国内外の識者とやり取りをしながら短時間に情報を集めることができます。特に専門医の間でも意見が分かれている領域や問題は、主治医として様々な見解を収集する必要があり、インターネットが役立っています。私のツイッターはフォロー250人・フォロワー約5000人で、医療ジャーナリストや評論家の方々と意見交換することも良い刺激になります。最近うれしかったのは、料理研究家の土井善晴さんからフォローされたことでした。私事ですが土井さんのレシピを日頃参考にしていますので(^^)。ただし、上記のソーシャルネットワークについては十分に気をつけるべきだと感じています。(次回に続きます)
(文:森本)