なんでも医のつぶやき④ 『なんでも医と専門医の連携その3~大きな病院の特徴~』

前任の大分大学医学部から見た虹の風景です(^^)
前任の大分大学医学部から見た虹の風景です(^^)

こんにちは!(^-^) 

 

前回の話の続きです。

 

ところで、医大や県病などの大きな総合病院に行く際には、患者さんのホームドクターからの紹介状があった方がスムーズな治療につながります。規模が大きな総合病院は多くの専門医がいて、いろんな検査・治療機器があるという良い特徴があるのですが、医師の転勤が頻繁にあったり、日常診療のほかに研究や教育も大切な業務であるために医師にとっては時間的な余裕がなく、一人ひとりの患者さんに長期的で継続的に寄り添った医療(たとえば初診から終末期医療まで)が難しい点があります。たくさんの専門医がいる環境は医師自身の勉強のためにも恵まれている反面、専門外の医療に関わることはほとんどありません。それらが欠点でもあり、たくさんの症状をもった患者さんが各科を『漂流』してしまうことがあります。

 

上記の問題を解決するために『総合診療科』を持つ総合病院も増えてきましたが、市や県単位の広い医療圏で患者さんに対応していることや、そこでも研究や教育など多岐にわたる業務と並行して診療を行わなければならないことから、どうしても時間的な制限が生じてしまいます。このため、できればホームドクターからの紹介状を持参して、これまでの病気や治療の経過が整理された状態で受診されることが望まれます。

 

ところで余談ですが、イギリスの救急外来は長時間待たされることで有名であり、待ち時間を4時間以内に短縮することを大きな目標にしています。(参考サイト:英国BBCニュース2015年1月6日)。世界のほとんどの国は日本と違って皆保険制度ではなく、自由診療やプライベート保険以外の病院へのアクセスが限られるなどの違いがありますが、医療を過度に集中するとイギリスのような状況も生まれるのでしょう。新聞やテレビで日本の医療はいつも批判の対象ですが、海外で日本の医療は素晴らしいと現地の日本人からよく聞きます。私も米国での2年間の生活で歯科を含めた日本の医療の有難さが身に染みました。(以下、次号に続きます)。 

                        

                         (文:森本)