なんでも医のつぶやき③ 『なんでも医と専門医の連携その2~後医は名医~』

こんにちは!(^-^) 

 

前回の話の続きです。


みなさんは『後医(こうい)は名医』という言葉をご存知でしょうか?これは私が長崎での研修医時代に指導医から教えられた言葉です。その意味は、「患者さんを後から診る医者は、最初に診た医者よりもそれまでの経過がわかっているので、あたかも名医のように正しい診断ができる」というもので、このため「患者さんを後から診る医者は、前に診た医者を安易に批判するべきではない」というように指導されました。

 

患者さんの立場からすると、近くの病院や医院(クリニック)でよくわからなかった病気が大きな病院を受診して判明したなどの経緯から、「やっぱり医大病院や県立病院などの病院が良い!」とお感じになるのはわかります。私もこれまでに基幹病院での研修医や医学生向けの講義で「これまで診断困難だった症例が当院の診断で判明した」というような事例紹介をよく行っていました。『後医は名医』という観点からは当然の転帰なのですが、今から考えると少し思い上がっていたかもしれないと反省しています。

 

昨春から三重町の地域医療に従事するようになって、大きな総合病院や専門病院を受診しても症状が改善しなかったり、診断がつかないといった患者さんから相談を受けることも増えました。これは上記の小→大病院とは逆の流れであり、それまでに受診した専門医の間で診断が異なって苦慮することもありますが、医学的に中立を保ちながら患者さんに寄り添ったホームドクターとして診療します。このときにも、『後医は名医』という言葉を思い出しながら、自戒しつつ、、。(以下、次回に続きます) 

 

                           (文:森本)   

 

 

(※)『なんでも医』という言葉は私の造語で、読者にわかりやすく伝えるために『何でも屋』という言葉をもじって作りました。このためグーグルやヤフーで検索をかけてもこのサイトしか出てきませんが(平成27年1月14日現在)、どうぞ御了承いただければ幸いです。